統計検定2級の難易度と範囲を徹底解説【2024年11月最新版】
統計検定2級とは?
統計検定2級は、統計の基礎を理解し、実務に活かすためのスキルを認定する試験です。
近年データサイエンスや生成AI等の盛り上がりもあり、G検定と並んで注目度が上がってきましたね。
ただ、簡単に取得できるものではなく、試験範囲は広範囲にわたり、しっかりとした対策が求められます。
この記事では、統計検定2級の難易度や出題範囲(例題も含めて)について詳しく解説します。
さらに、効率的に合格するための方法として、青の統計学が提供する「統計検定2級チートシート」を活用することもご紹介します。
基本情報
まずは、試験の概要を見てみましょう。
統計検定2級基本情報
- 電卓は使用可能
- 試験時間は90分で、問題数は35問程度
- 通年実施しており、最寄りの会場で受けられる(CBT方式)
- 合格水準は、100点満点で60点以上
引用:https://www.toukei-kentei.jp/exam/grade2/
統計検定2級の難易度
統計検定2級の合格率は?
統計検定2級の過去の合格率は直近だと約34%程度と、やや高い難易度を持っています。
この合格率からも、統計検定2級が簡単な試験ではないことが伺えます。
試験は、幅広い統計の知識を問うもので、特に計算問題が難関となります。
試験時間内に正確な計算を行う能力が求められるため、過去問を使って十分な対策を行うことが必要です。
年 | 2018年6月 | 2018年11月 | 2019年6月 | 2019年11月 | 2021年6月 | |
合格者 | 669人 | 792人 | 883人 | 988人 | 249人 | |
受験者 | 1,532人 | 1,896人 | 1,938人 | 2,369人 | 731人 | |
合格率 | 43.7% | 41.8% | 45.5% | 41.7% | 34.0% |
※CBT試験方式ではなくPBT試験方式の受験結果です。
※2020年の試験は中止となっています。
受験者の声:統計検定2級は難しい?
多くの受験者が「試験時間が足りない」「計算問題が多く、ミスが致命的」と感じています。
試験の難易度を高く評価している声も多く、特に計算力と時間管理が合格の鍵となります。
X版「青の統計学」で取得したアンケート結果がこちら。
かなり割れましたね笑
勉強時間で言うと、統計検定3級の知識があれば60時間程度と言われております。
数学的素養や統計学の背景知識がない場合、苦戦することもあるようです。
私自身大学で統計学をしっかり勉強しており、試験対策の一貫として統計検定2級を受験しました。
なので、ある程度の知識がある中での受験となりましたが、いくつか問題をしっかり読んでいないと間違える特有の問題があったので、統計検定2級に即した対策や勉強は必須だと考えます。
効率的な学習法:チートシートの活用
統計検定2級に合格するためには、膨大な範囲を短期間で効率よく学ぶ必要があります。
そこで、青の統計学が提供する「統計検定2級チートシート」が役立ちます。
このチートシートには、頻出の重要ポイントや計算問題の解法がコンパクトにまとめられており、試験直前の総復習に最適です。
統計検定2級の範囲
出題範囲の概要
統計検定2級では、以下の分野から出題されます。
1変数データ | 中心傾向の指標、散らばりの指標、中心と散らばりの活用、時系列データの処理 |
2変数以上のデータ | 散布図と相関、カテゴリカルデータの解析、単回帰と予測 |
標本調査など | 観察研究と実験研究、各種の標本調査法、フィッシャーの3原則 |
確率 | 統計的推測の基礎となる確率、ベイズの定理 |
確率分布 | 各種の確率分布とその平均・分散 |
標本分布 | 標本平均・標本比率の分布、二項分布の正規近似、t分布・カイ二乗分布、F分布 |
推定 | 推定量の一致性・不偏性、区間推定、母平均・母比率・母分散の区間推定 |
仮説検定 | p値、2種類の過誤、母平均・母比率・母分散の検定[1標本、2標本] |
カイ二乗検定 | 適合度検定、独立性の検定 |
線形モデル | 回帰分析、実験計画 |
広いですね〜。
これらの分野をバランスよく学ぶことが、合格への鍵です。
各分野の重要ポイント
1. 基礎統計
統計学の基本である基礎統計は、特に重要です。
平均値、中央値、標準偏差の理解は、統計検定2級の合格に必須です。
本サイトだと、この辺りが参考になります。
2. 確率
確率は統計検定2級の中で特に重要な分野の一つです。確率分布や確率変数を理解し、適切な公式を使いこなす必要があります。
重要な公式を素早く確認でき、実践的な問題に対応できます。
確率分布だと、以下の分布をしっかり理解できていると良いと思います。
- 正規分布
- 一様分布
- ポアソン分布
- 二項分布
- ベルヌーイ分布
- 指数分布
本サイトだと、この辺りが参考になります。
3. 統計的推測
仮説検定などの統計的推測は、試験に頻出する分野です。
「新薬には効果がない」という帰無仮説を立て、データからその仮説が棄却できるかを判断するなど、与えられたデータをもとに何が言えるか、などを考えていく分野です。
p値や有意水準など、誤解されやすいテーマが多くあり、この分野は一層丁寧な勉強が必要です。
本サイトだと、この辺りが参考になります。
4. 回帰分析
回帰分析は、統計検定2級の中でも重要なポイントです。
大抵のパターンは、Rやpythonでの解析結果を判断するというものですが、各説明変数が目的変数にどの程度影響を及ぼすか、F値などの指標をもとにどのような意思決定ができるか、という部分が問われます。
データサイエンティストの実務でも必要な技能なので、しっかり押さえておきましょう。
統計検定2級に合格するための勉強法
効率的な勉強法
統計検定2級に合格するためには、範囲の広さと時間管理を意識した勉強が必要です。
以下のステップを踏むことで、効率的な学習が可能です。
- 基本的な参考書を一冊完璧にする
- 過去問を解いて問題形式に慣れる
- 計算問題に重点を置く
- 模擬試験で実戦感覚を養う
- チートシートを活用して要点を押さえる
チートシートを活用した学習のメリット
青の統計学のチートシートを使用すれば、試験に必要な知識を効率的に身につけることができます。
ポイントを絞った内容で、勉強時間を大幅に短縮し、合格率を高めることが期待できます。
要点がまとまっているので、試験の直前までお役に立てると思います。
また、チートシートより前に試験範囲を広く学習したいという方には、右の「統計検定2級の攻略本」をお勧めします。
4万字を超えており、隅々まで読んでいただければ合格にグッと近づくと思います。
例題|レベルを把握する
どんな問題が出るのかいまいち想像がつかない場合もあると思うので、少し例題に触れてみましょう。
ある工場で生産される製品の重量は平均 ${\mu}$ g、標準偏差 ${\sigma}$ gの正規分布に従うとします。
この工場では、重量が $({\mu – 2\sigma})$ g未満または $({\mu + 2\sigma})$ g超の製品を不良品としています。
- 不良品となる確率を求めてください。
- 1000個の製品を生産した場合、95%の信頼度で不良品の数が何個以下になるかを求めてください。
解答の手順としては、
1:標準正規分布の性質を利用して、不良品となる確率を計算します。
2:二項分布の正規近似を用いて、不良品の数の上限を推定します。
解説
- 不良品となる確率の計算
正規分布において、平均から両側に2標準偏差分離れた範囲内に約95.45%のデータが含まれることが知られています。
つまり、$({\mu – 2\sigma})$ g未満または $({\mu + 2\sigma})$ g超となる確率は、合わせて約4.55%となります。
$P(X < \mu – 2\sigma) + P(X > \mu + 2\sigma)= P(Z < -2) + P(Z > 2)$
ここでZは標準正規分布に従う確率変数です。
$= 2 \times P(Z > 2)$
正規分布の対称性より
$\approx 2 \times 0.02275$ $= 0.0455$
したがって、不良品となる確率は約4.55%です。
- 1000個中の不良品数の上限(95%信頼区間)
二項分布の正規近似を用いて計算します。
- 試行回数: $n = 1000$
- 不良品となる確率: $p = 0.0455$
- 平均: $\mu = np = 1000 \times 0.0455 = 45.5$
- 標準偏差: $\sigma = \sqrt{np(1-p)} = \sqrt{1000 \times 0.0455 \times 0.9545} \approx 6.58$
95%信頼区間の上限は、平均に1.96標準偏差を加えたものです
$45.5 + 1.96 \times 6.58 \approx 58.4$
したがって、95%の信頼度で不良品の数は58個以下になると推定されます。
答え
- 不良品となる確率は約4.55%です。
- 1000個の製品を生産した場合、95%の信頼度で不良品の数は58個以下になると推定されます。
上の問題は、以下の記事でしっかり学習することができます。
まとめ
統計検定2級は難易度が高く、広範囲にわたる試験ですが、適切な対策を行えば合格も夢ではありません。
特に、青の統計学が提供する「統計検定2級チートシート」を活用すれば、効率的に学習を進めることが可能です。
この記事で紹介した内容をもとに、自分に合った勉強法を見つけ、合格を目指してください!