【体験談】G検定は大学生でも受かる?合格率、難易度、試験範囲を徹底解説
こんにちは、青の統計学です。
生成AIの急速な発展に伴い、AIに関する知識やスキルを持つ人材の需要が高まっていますね。その中で、AIに関するリテラシーを測る指標の一つとして注目されているのが「G検定(ジェネラリスト検定)」です。
この記事では、「G検定は大学生でも受かるのだろうか?」という疑問を持つ方々に向けて、G検定の詳細から合格率、難易度、そして試験範囲に至るまで、専門的な視点も交えながら徹底的に解説します。
G検定とは?詳細を理解
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA: Japan Deep Learning Association)が主催する、AI・ディープラーニングの活用リテラシーを問う検定試験です。
G検定の目的と対象者
JDLAによると、G検定の目的は「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材(ジェネラリスト)を育成すること」とされています。
具体的な対象
- AI・ディープラーニングを活用した事業を企画・推進するビジネスパーソン
- AI関連のプロジェクトに携わるエンジニアや研究者
- AI技術の動向を理解し、自身の業務に活かしたいと考えている全ての人

大学生にとっては、将来的にAIを活用する分野に進むことを考えている場合や、自身の専門分野とAIを結びつけて新たな価値を創造したい場合に、有用な知識を習得できる検定と言えます!
G検定で問われる能力
G検定では、AI・ディープラーニングに関する幅広い知識が問われます。単に技術的な側面だけでなく、ビジネスへの応用や法律・倫理といった社会的な側面も含まれるのが特徴です。
具体的には、以下のような能力が測られます。
- AI(人工知能)とは何か、どのような種類があるのかを理解する力
- 機械学習、特にディープラーニングの基本的な仕組みや代表的な手法を理解する力
- ディープラーニングを事業に活用するための知識やアイデアを創出する力
- AI開発のプロジェクトマネジメントに関する基礎知識
- AIに関する法制度や倫理的課題を理解する力
G検定の合格率と難易度
G検定の受験を検討する上で、最も気になるのが合格率と難易度でしょう。
G検定の合格率の推移
JDLAの公式サイトでは、過去のG検定の実施概要と合格率が公開されています。一般的に、G検定の合格率はおおむね60%~70%前後で推移していることが多いです。
年度別 G検定 受験者数・合格者数・合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2020 | 26,100人 | 17,172人 | 65.8% |
2021 | 20,911人 | 13,217人 | 63.2% |
2022 | 20,660人 | 13,079人 | 63.3% |
2023 | 23,359人 | 15,938人 | 68.2% |
2024 | 27,769人 | 20,190人 | 72.7% |
ただし、これはあくまで全体の平均であり、個々の受験者のバックグラウンドや学習状況によって体感的な難易度は異なります。また、試験回によって難易度に若干のばらつきが見られる可能性も考慮しておく必要があります。
G検定の難易度分析
G検定の難易度を評価する際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 出題範囲の広さ: AIの歴史から最新技術、法律・倫理まで、幅広い知識が求められます。そのため、体系的な学習が不可欠です。
- 専門用語の多さ: AI・ディープラーニング分野特有の専門用語が登場します。これらの用語を正確に理解し、文脈の中で把握する能力が必要です。
- 試験時間と問題数: G検定は多肢選択式の問題がオンラインで出題されます。試験時間は120分で、問題数は200問程度(2024年時点の目安)とされており、1問あたりにかけられる時間は短いです。そのため、知識の瞬発力と時間配分能力も重要になります。
大学生にとってのG検定の難易度と感想

受けてみての感想をご紹介します。社会人でも学習時間は確保できる程度の分量ですが、大学生の時期に取得しておくと色々と便利かなと思います。
📚 勉強方法と工夫
G検定は出題範囲が広く、特に計算問題は慣れていないと本番でを詰みます。まず、公式テキストを一通り読み、基礎知識を固めました。その後、問題集を繰り返し解き、理解を深めていきました。特に、問題集は最低でも2回は繰り返すことで、知識の定着を図りました。また、模擬試験を活用し、実際の試験形式に慣れることも重要でした。
⏱ 試験当日の感想
とにかく、時間配分が重要。即答できる問題はすぐに解き、難しい問題は後回しにする戦略を取りました。また、試験中に参考資料を検索することも可能ですが、全ての問題を調べる時間はないため、事前の知識が重要です。
G検定の試験範囲を徹底解剖
G検定の合格を目指す上で、試験範囲を正確に把握することは重要です。JDLAが公開しているG検定のシラバス(出題範囲)は、大きく以下の項目に分かれています。
- AIとは(定義と歴史)
- AIの定義、研究の歴史的変遷(AIブームの波など)
- AIの種類(特化型AI、汎用AIなど)
- AIをめぐる動向(国内外の政策、研究開発動向など)
- 人工知能をめぐる動向
- 探索・推論
- 知識表現
- 機械学習
- 深層学習(ディープラーニング)
- 機械学習の具体的手法
- 代表的な機械学習の手法(回帰、分類、クラスタリングなど)
- 教師あり学習、教師なし学習、強化学習の概要と代表例
- モデルの評価方法(精度、再現率、適合率、F値など)
- 過学習とその対策
青の統計学ならこちらの記事が導入としておすすめです。
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G検定レベル問題集|青の統計学Ds Playground 情報数理演習
- ディープラーニングの概要
- ニューラルネットワークの基礎(パーセプトロン、活性化関数など)
- ディープニューラルネットワーク(DNN)
- ディープラーニングが注目される理由(ビッグデータ、計算資源の進化など)
- 勾配消失問題とその対策
- ディープラーニングの手法
- 畳み込みニューラルネットワーク(CNN):画像認識など
- 畳み込み層、プーリング層などの役割
- 代表的なCNNモデル(AlexNet, VGG, GoogLeNet, ResNetなど)
- 再帰型ニューラルネットワーク(RNN):自然言語処理、時系列データ処理など
- LSTM、GRUなどの改良型RNN
- Seq2Seqモデル、Transformer、BERTなどの応用モデル
- 深層強化学習(AlphaGoなど)
- 敵対的生成ネットワーク(GAN)
- オートエンコーダ
- 転移学習、蒸留
- 畳み込みニューラルネットワーク(CNN):画像認識など
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G検定レベル問題集|青の統計学Ds Playground 情報数理演習
- ディープラーニングの研究分野
- 画像認識、物体検出、セグメンテーション
- 自然言語処理(形態素解析、構文解析、機械翻訳、感情分析など)
- 音声認識、音声合成
- 強化学習の応用(ロボティクス、ゲームAIなど)
- 生成モデルの応用(画像生成、文章生成など)
- ディープラーニングの応用に向けて
- AIプロジェクトの進め方(PoC、要件定義、開発、運用)
- データ収集、前処理、アノテーションの重要性
- AIとクラウドコンピューティング(AWS, Azure, GCPなど)
- AI開発のためのフレームワーク(TensorFlow, PyTorch, Kerasなど)
- AIの品質保証、テスト(特に実務だと大事ですし、論点化します)
- AIと社会
- AIが社会に与える影響(産業構造の変化、雇用の変化など)
- AI倫理(バイアス、公平性、透明性、アカウンタビリティなど)
- AIに関する法制度・ガイドライン(著作権、個人情報保護法、AI原則など)
上記の範囲は広範であり、各トピックについて基本的な概念から応用事例まで理解しておく必要があります。
特にディープラーニングの各手法については、その仕組みや特徴、代表的なモデル名などを正確に覚えておくことが求められます。
大学生向けの学習ポイント
大学生がG検定の学習を進める上で、以下の点を意識すると効果的です。
- 基礎固めを重視する
- 特に数学(線形代数、微分積分、確率統計の基礎)やプログラミングの基礎知識があると、機械学習やディープラーニングの概念をより理解しやすくなります。ただし、G検定自体はこれらの高度な数式やコーディング能力を直接問うものではないため、概念理解に重点を置けば問題ありません。
- 公式テキストや問題集を活用する
- JDLA認定の公式テキストや市販の問題集を活用し、網羅的に知識を習得するとともに、問題形式に慣れておくことが合格への近道です。
- オンライン学習リソースを活用する
- 大学の講義以外にも、オンライン講座や学習プラットフォームにはG検定対策に特化したコンテンツが多数存在します。これらを有効活用しましょう。
チートシートとオンライン問題集(過去問ではございません)はこちらでまとめています。
結論:G検定は大学生でも合格できる
G検定は、AI・ディープラーニングに関する幅広い知識とリテラシーを証明する資格であり、その内容は専門性が高く、決して容易に合格できるものではありません。しかし、大学生であっても、計画的な学習と適切な対策を行えば十分に合格を狙える試験です。

あと、統計検定よりもとっつきやすいテーマだと思いますし、自分の実力を客観で示す良い機会かと思います。
AI技術が社会のあらゆる場面で活用されるようになった現代において、G検定で得られる知識は、文系・理系を問わず、将来のキャリア形成において大きな武器となるでしょう。特に、これから社会に出る大学生にとって、AIリテラシーを身につけておくことは、自身の可能性を広げる上で価値のある投資だと思いますよ!